「猛暑」が「残暑」に名前を変える頃,青葉台高校の昇降口で,かすみはそうつぶやいた.吹奏楽部の練習がまた長引いたのだ. 校舎には,もうほとんど人は残っていなかった.といっても,夏の夕日はまだ昇降口に差し込んでいたのだが.