後に残されたまさとは,呆然としてかすみの後ろ姿を見送っていた.
「何だ……あいつ.あんなに慌てて」
何となく下駄箱に目をやると,開けっ放しになったかすみの下駄箱と,床に転がったままの上履きが見えた.そして,上履きの横には……封筒が 1 枚.
「しょうがないな,かすみのやつ.入れといてやるか」