あまりの迫力に,まさとは思わず二・三歩後ずさりした.
「男なら,もっとビシッとやれよな!」
「へ……? ビシッと? 宿題をか?」 間抜けなことを口走ってしまった,とまさとが後悔したときには,波多野の顔はさらにズームアップされていた.
「この期に及んで言い逃れか?幼なじみだったら,かすみの性格ぐらい知ってるだろ?乙女心を傷つけて平気だなんて…この根性なし!」
「ちょっと待て.何でかすみが出てくんだよ.俺はマジでなんもしてねーって」
「だからだろ?この鈍感!うすらとんかち!」