「へっ!?」

まさとはきょとんとした.何もしてないのがド根性で乙女心を傷つけるとんかち?何言ってんだこいつ.

「かすみが….昨日うちに来て,あたしに相談してったんだよ……手紙のこと」

「…なんだって?」

まさとは,何だか「急降下」している気分だった.マンガだと,こんなとき顔に縦線が入るんだろうな.

……そうか….かすみのやつ,波多野に相談したのか….

波多野は確かに,頭から湯気が出るほど怒っていた.でも,まさとは波多野を見ながら,なぜか「親友を傷つけた男に対する怒り」とは別のものを感じていた.それが何なのかは,たぶん説明できないだろうけれど.




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