「ありがとう,助かるよ」森下さんにそう告げると,まさとはさっと歩き出した.もう,あれから 1 週間が過ぎようとしている.
……かすみのやつ,うまく俺のことを避けてるつもりだな?
電話をしても,家に顔を出しても,この 1 週間というもの,かすみはつかまらなかった.しかし,木地本と森下さんが親切に,かすみが公園にいると教えてくれたのだ.
「あたしがさっき見かけてから…そうね,10 分も過ぎていないと思うわ」