ほっ,と一息つくように,まさとはかすみに向かってうなずいて,そしてほほえんだ.

「そーかー.じゃ,木地本は俺のかすみにちょっかいを出そうとしたんだな.これから,ヤツとのつき合いは考えないとな」

かすみは,くすくすと笑った.

「ね,まさとクン.手紙のこと,どうして分かったの?」

「ああ,これ.お前の下駄箱の近くに落ちてたんだ.クラブで遅くなったときに,お前,あわてて帰ったことがあったろ?お前が上履きと一緒に落として行ったんだと思ってさ」まさとは,胸ポケットから封筒を取り出した.

「そうなんだ…ありがと.ごめんね…,もし,これがなかったら,こんなことには」

「いや!俺はこの封筒に感謝しなきゃいけないな」




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