まさとは,封筒と手紙に目を落とすと,急に黙り込んだ.すると,突然まさとは手紙を折って元通りに封筒に入れ,かすみに見せた.
「それ…どうするの?」 「ふふふ.俺的には,木地本にはリベンジをしなきゃいけないな」 「だっ,ダメよ!木地本クンをいじめないで!悪気があってしたんじゃないんだし!」 「違うって.あいつには,『手紙なんかじゃダメだ,男らしくはっきり,直接伝えろ』って言ってやるのさ」 「木地本クンって,口べたなの?よく知らないんだけど…」 「いや,とんでもない.ヤツならやるよ.もしやらないんなら,俺がこの "証拠物件" を,風間さんに渡してやるだけさ.そして,かすみの下駄箱に,これが間違って入れられた話をしてやれば,俺,風間さんの笑いを取る自信あるもん」 「そ,それって……」 「どうだ?こんなリベンジは」 そう言うと,まさとはにやっと笑った. |